ELEMENT『STEP BY STEP』制作の話
このDVDはHULAHOOPERSの仕事としては初めての大きなプロジェクトでした。
本編の撮影には私は同行していませんが、46トリックという数多くのトリックを短期間で撮影するのはさぞ過酷だったでしょう。篤くん、ライダーの皆さん、関係者の皆さんおつかれさまでした!
撮影・編集・監督は篤くんが手がけたのはもちろんですが、私がこのプロジェクト担当したのはパッケージデザイン、ビデオ内のグラフィック、ロゴデザイン、Disc盤面デザイン、DVDのメニュー画面、アートディレクション、そして音楽の6割ほどでした。
デザインに関しては、私は基本Web畑のデザイナーなので、交通広告やチラシ、フライヤーなどを除けば本格的なパッケージデザインはsphontikのアルバムぶり。
しかしいざ作りはじめてみると、ELEMENTのスケートセクション「Dropspot」が使用されていること、ELEMENTというブランドのイメージ、STEP BY STEPというタイトルからテーマカラーやデザインは容易に想像できました。
デザイン制作の中で印象的だったのは写真のディレクションと撮影です。写真撮影は写真家の西山直人さんにお願いしました。
STEP BY STEP(直訳で一歩づつ)というタイトルからイメージして、今回はトリック写真ではなく、スケーターにとっての最初の一歩、「プッシュ」を使おうと考えた私は、ELEMENTのエース瀬尻稜くん、監督の杉本篤、西山さん、そして私の計四人で夜中の真っ暗なロケ場所へ。天気予報では深夜から雪が降る予報。極寒のなか私がイメージしたプッシュのモーションを稜くんはTシャツ姿で撮影。深夜2時頃、過酷な撮影が終わり、後日あがってきた写真は、自分が伝えたラフ以上の写真となって出来上がり、その写真で組み立てるデザインの楽しさは格別でした。
西山さん、稜くん、ご協力ありがとうございました!
そして話は音楽制作に入ります。
今回音楽を担当したのは私とsphontikこと安田健児の二人。
必要なトラックはオープニング、4人のライダー毎に1曲づつ、ボーナス、セッティングなどの初歩セクションに1曲、エンディングの計8曲。担当の割り振りはこんな感じ
オープニング:岡田&sphontik初歩セクション:sphontik
ナオヒロくん:sphontik
Buchiくん:岡田(The Creamiest Dreamiest)
ツバサくん:岡田(Let’s be human beings.)
稜くん:岡田(Goody toeshoes)
ボーナス:岡田(Goody toeshoes)
エンディング:岡田(The Creamiest Dreamiest)
健児はsphontikとしての作品もリリースしながら音楽制作の仕事もこなすプロなだけあって、問題なく作曲を終え、早々に提出してくれました。
オープニング曲は二人で集まって1時間ほどで完成。スムーズに終わる予感がしました。しかしそれは間違いでした。ツバサくんのBGMに使われたトラック、Buchiくんに使われたトラックは苦戦しながらもなんとか提出。
しかし残された稜くんのBGMで大苦戦。若い稜くんにはフレッシュな明るい曲調がいいと考え、インディーポップテイストの曲を作って提出してはみたものの、The Creamiest Dreamiestでついた癖がでてしまい、どこかヘビーな印象に。何度も作り直し、原型をとどめなくなったその曲は、The Creamiest Dreamiestでも、昔の名義Let’s be human beings.でも、どちらにも当てはまらないものでした。
「明るい曲なんて作ったことねーし」と内心ふてくされながらも音楽制作を仕事にすることの難しさを感じた瞬間でした。
私は、今までの名義では表せない、新しいスタイルをあらわす名前を「Goody toeshoes」とし、なんとかボーナス用トラックも作り上げ、やっとのことで負の無限ループから抜け出すことができたのでした。この音楽が良いか悪いかは置いておいて、自分にとっての音楽と、その方向性の大切さを身にしみて感じました。
ということでHULAHOOPERSの「仕事」ELEMENT『STEP BY STEP』は現在発売中です!
この記事を見る人にHow toが必要な人は少ないかもしれませんが店頭で見かけたらぜひ手に取ってみてください。次はWebも手がけたいですね。
この作品に関わるチャンスをくれた篤くん、GSM JAPANの今井さん、ありがとうございました。
ELEMENT『STEP BY STEP』