bluefilmproducts最新作『90.0MHz』
以前にも告知しましたが、この夏bluefilmproductsの仲間たちで新潟の芸術祭を訪れました。その際に撮影した映像を使って、この芸術祭参加アーティスト小野田賢三氏と一緒に作品を制作しました。
タイトルは『90.0MHz』。
沼垂ラジオは90.0MHzという微力な電波を発し、聴取エリアは半径50メートルほどだそうです。誰が聞いているのか分からないようなこの局地的な放送局は何を表現し何を伝えているのだろうか。。
なぜだろうか、誰かが興味を失ったようなものや誰もが価値を見いだせないようなものに魅力を感じたりする。
僕らが響かせているこのスケートボードの音色も、誰の眼にも触れないようなものだけど、微力ながら発信し続けている沼垂ラジオの電波みたいなものだ。
誰もがスケートボードを始めた頃は純粋にその行為や時間を自分の為に楽しんできたと思う。そういった気持ちを忘れないで滑り続けているスケーターが僕は好きだ。
スケートボードや僕の作っている作品が『アート』かどうか、正直まだ答えが見つからないけど、僕にとって作品をつくると言う行為は自分に正直でいると言う事だ。bluefilmproducts名義での作品はそういうものであり、そういった仲間と作る作品でありたいと思う。
小野田賢三:
大阪芸術大学芸術計画学科音響学専攻。2008年「PARKHAUS展」(クンストハレデュッセルドルフ)、「パリ国際現代詩ビエン ナーレ2009」「月光のアンフラマンス展」(DIC川村記念美術館)などに参加。
音源について:
ディレイマシーン。突然にそして用意周到に現れたそのマシーン。単純な録音再生器に過ぎないその機械は音の芸術家達によって魔術を見せてくれた。
時間と空間を幾層にも重ね変形する事の出来るその機械は音によって認識される空間自体と時間概念を彫刻した。始まりも終わりもしない音、存在を固定する事の出来ないその音。状態という存在。
今そこには、もう無い。かつて有った聴覚に残る記憶のみが存在を証明する。